
店構えから見れば、何の変哲も無い中華料理店。赤い色彩が溢れる中華街の中で、あえて目立たないようにしているかのようにも見える。
この方や
この方や
この方からの、情報でなんと今月末で閉店ということを知った。
ご主人と、奥さん、そして娘さん2人でやっている家族経営のお店のようだ。

店のまえにあるショーケース。埃よけか、ラップがかかっている。

以前は無かったと記憶している、ショーケースの上の写真付きのメニュー。値段が張り替えられているようにみえるが、中華街の中ではだいぶお安い感じだ。

テーブルの上のメニューその1

メニューその2

奥さんが、お客さんの座っているテーブルのすぐ後(笑)で、イカの下ごしらえをしていた。丁寧に丁寧に、火が通ると松かさのようになるように、包丁を入れていた。

イカのネギ和え:絶妙に茹でられた後、軽く油通しをしているのかな?白髪ネギがどっさり
のって、醤油と油をベースとしたタレがかかっている。味はやさしく、イカの歯ごたえとネギの風味がとても良い。

エビと肉の巻揚げ:エビと(叉焼?)を豚の網油で巻いてからっと揚げた、一品。
きちんとまじめに作ったあるので、美味しくない訳ありません。ビールが進みます。

白切鶏:この店でこの料理の美味しさを知りました。よく中華のコース料理の前菜に出てくる、薄っぺらの鶏肉とは全然違います。程よく茹で上がった鶏を、冷たく冷やして、中華包丁(おそらく)でぶった切ったもの。骨ごとむしゃぶりつきます。

これを、オイスターソースと胡椒と何かを混ぜたものに、白髪ネギと油をつけて頂きます。

今回初めて食べた、海老と卵丼:海老と卵をオムレツのように火を通してご飯にのせてある。卵の甘い感じが、すてきです。

そして、人気ナンバーワンの叉焼丼(細切り)いやー本当に美味しい。ただそれだけ。
これが食べられなくなるなんて、いやです。
会計のときに、閉店のことを聞いたら、娘さんはやはり今月末までの予定だが、多くのお客さんから、閉めないでと言われているし、いきなり仕事をしなくなったら、お父さんも心配だし、と まだ思い直してもらう余地はあるのかなあと思いました。
この地に店を開いて30年ぐらいと娘さんが言っていましたが、その前は中華街大通りに店があったようです。
その話は、都内の某出版社に勤務していた知り合いから聞いた。
そこの社長(関内生まれの横浜大空襲経験者)が、新聞社の編集者を「今日は美味しい中華料理をごちそうしましょう!」と言う話になり、黒塗りの社旗はためく、社用車を出して頂いて、着いた先がこのお店の前で、運転手さんは「本当にここですか?」
編集者は料理を気に入ってくれたそうですが、、、、
その社長さんは、ネギソバと巻揚げがお気に入りで、今の場所に移る前から通っていたようです。
今の世の中、変わることが価値のように言われる風潮がありますが、変わってほしくないものもあるんだと思うのは、傲慢なのでしょうか?
スタンダードなもの。それはとても大事なものだと思います。
追記
翌週 再び行ってきた。

多くの人が言っているが、豚が本当に柔らかく煮てあり、脂は抜けて、うまみはそのまま残っている。

ラーメン:こちらの麺類は、本当にあっさりしていて、麺もいわゆるコシのほとんどないものだ。少し物足りなく思う人もいると思う。

またまたチャーシュー丼 今度は細切りでは無いもの。やはり細く切ってあった方が、ネギとも混ぜやすく、好きかな。

トリ肉丼 ぴりっと辛い唐辛子を使ったタレに、細く切った白髪葱、茹で鶏が載っている。
こちらも充分にご飯と混ぜて食べると美味しい。私には鶏の味を十分感じられる辛さの強さだった。

自宅には、かなり前に行ったときに、貰ってきたマッチがあるが、今日会計のときに、お願いしたら、2つも頂いてしまった。
多分、来週末は行けないと思うので、これで最後だろう。レジの上に調理師免許が掲げてあるが、ご主人の御歳は70歳を超えている事に気がついた。
こんなおいしい料理が頂ける店が無くなってしまうのは、本当に惜しいが、お疲れさまでした。と言う気持ちが 食事が済んで ふつふつと湧いてきた。
ありがとうございました。

最終日
お弁当だけでもと、電話で問い合わせたけれども、「ごめんなさい。今日はお弁当受け付けられません」との答え。前回心置きなく食べたので、残念だけれども諦めました。本当に長い間。お疲れさまでした。
昼間、たまたまお店の前を通りかかったのですが、5.6人の列が出来ていた。